減資で地方税均等割負担を減らせるのか(2014.9.11)
−中小零細会社にとってはハードルが高い場合が多いでしょう−
(注意)その後法令の改正がありました。
過去には事業規模が大きく、資本金を10,000,000円超にした会社があります。
その後、事業縮小し零細な会社になったとします。
今までみたいに高い均等割を払う余裕はないので、減資して資本金等の額を
減らそうと誰でも考えます。
そうなった場合、財務内容が良くてお金が余っている会社は有償減資をすれば良いです。
しかし、バランスシートは大債務超過状態で、かろうじてお金を回しているような会社では、
現実的には無理ですね。
減資をするためには、株主総会で減資の特別決議を行い、官報に公告、各債務者に催告を行い、それらの書類を減資のための登記申請の添付書類にします。
登記申請が通らなければ、謄本に載っている資本金は前のままです。
剰余金配当の総会決議を行い配当をしようにも、会社法で財源規制がありますので、
これにひっかかるのではないかと思いました。
そもそも会社法に定める分配可能額がゼロですから分配の余地がないと思われます。
とすると、有償減資できないことになります。
デット・エクティ・スワップ(DES)が上記減資とセットで書いてある記事をネットで見かけますが、減資とDESは直接関係ありません。DESは、債務の株式化と言われるように、例えば借入債務を現金の代わりの出資として、資本金を増やす取引です。増資です。なぜセットで書かれているかと言うと、上記減資をしても払い戻すお金がないので、この未払金処理している負債を消すために出てきただけです。
債務超過会社がDESによって増加する資本金を時価評価し、未払金との差額を債務消滅益としたとして、その後有償減資できるようになるほど、巨額の債務消滅益を計上した場合(それができたとして)、それを消すための繰越欠損金はちゃんとあるのか、期限切れ欠損金の損金算入ができるのかという問題が出てきます。
自社に会社更生法の開始手続き決定等があった場合には、又法人税法に特別な規定があるようです。いずれのせよ、利益剰余金がマイナスになり過ぎてから、減資したいと希望しても大変だと思います。
会社法に関係なく株配当を自由に決めても構わないのであれば、何も色々考えないで
(資本金) (未払金)
として、今未払いだがいつかは配当するつもりだから有償減資と言い張れば良くて、無償も有償も関係なくなり変な話です。